怒りを有効活用する学問 > アンガー マネジメント

日本アンガーマネジメント ファシリテーター養成講座

アンガーマネジメントを実行するためには

①「怒り」という感情の発端を紐解こう
②「怒り」のメカニズムを知り、効果的にコントロールする
③「怒り」が生み出す負の連鎖を解消するために
④「怒り」を把握するためにコアビリーフを分析すべし
⑤「怒り」をなくすための解決思考を形成していく秘訣
⑥「怒り」をコントロールするためのテクニックを紹介!

「怒り」を把握するためにコアビリーフを分析すべし

ここまで「怒り」とはどのようなものかについて触れてきましたが、ここからは その「怒り」をアンガーマネジメントによって どのようにコントロールしていくか、具体的な方法論を述べていこうと思います。
長期的な施策から、いますぐ出来る簡単なものまであるので、それらを組み合わせて自分に合った方法を探ってみて下さい。

「怒り」に強い体質をつくる

まずは、長期的に対策していく方法をいくつかご紹介させていただきます。
客観的に自分の怒りを把握することが有効であることは先に述べましたが、そのための手助けとして有効なアンガーマネジメントの手法をご紹介します。

自分の「べき論」=コア・ビリーフを分析する『アンガーログ』

コア・ビリーフとは?

知らず知らずのうちに人は「こうあるべきだ」という自分の理想像を作り上げ、その理想に従って生活しています。
こうした意識から生まれる「べき論」は、アンガーマネジメントの用語で「コア・ビリーフ」という言葉に置き換えられます。
コア・ビリーフとは、個人が正しいと思っている信念や価値観のことであり、人によって様々なコア・ビリーフを持っています。
また、コア・ビリーフは個人の中だけでなく、同じ目的を持った集団や仲間意識を持ったグループの中にも存在します。
日本人は比較的帰属意識が強く、そうした集団の持つコア・ビリーフに従おうとする気持ちを強く持っている傾向にあります。

コア・ビリーフの押し付け合いが争いを生む

言い争いが起こる原因に、実はコア・ビリーフの押し付け合いが起こっていることにお気づきでしょうか。
コア・ビリーフそれ自体は悪いものではありません。
信念や価値観を持つことは単調な日常にメリハリを付けるために大事なことでありますし、目標を達成するためにコア・ビリーフが必要であることもあります。
しかし、それを他人に押し付ける行為はたちまち争いを引き起こします。
自分と他人はあくまで全く違う人間であって、他人には他人の自分の理想とする姿があります。
そこに自分の理想を押し付けることは、相手にとっても自分にとってもストレスにしかなりません。
自分に厳しい人ほど自分のコア・ビリーフに他人を従わせようとする傾向が強いので気を付けたいところです。

『アンガーログ』で自分のコア・ビリーフを意識する

コア・ビリーフは自分の育った家庭環境や、経験からくる教訓に基づいていることが多いので、ほとんど無意識に身についていることが多いです。
従って、なかなか自分では意識しにくいものです。
その解決策として、自分の中にあって他人との摩擦の原因になっている「コア・ビリーフ」を洗いざらい発見し、 客観的に意識する方法として『アンガーログ』という手法があるのです。

「アンガーログ」の手順

怒りを感じたとき、以下の項目について書き出してみる
・怒りの度合いを10点満点で評価
・怒った日時
・怒った場面
・誰に対して
・どんな出来事、言動に対して
・どのような言葉で怒ったか
・怒った時の気持ち
・怒った理由
・怒った結果、相手にしてほしかったこと
・怒った結果、実際どうなったか

必ずしも上記の項目そのままでなくても構いません。
自分が必要だと思う項目を付け足してもいいし、面倒くさいと思ったら項目を減らしても良いです。
大事なのは、記録を付けることで自分の怒りに客観的になることです。
上記項目の「怒りの段階を評価する」ことは「スケールテクニック」とも言い、数値化しデータ化することで心を落ち着ける効果があります。
上記の「怒った理由」「怒った結果、相手にしてほしかったこと」が自分の持つ「コア・ビリーフ」にあたります。
毎回このような記録を付けることで、自分はどのような相手にどのような場面で怒りやすいか分析でき、 どのようなコア・ビリーフが自分に怒りをもたらす傾向が強いかを把握できます。
「怒った結果、相手にしてほしかったこと」と「怒った結果、実際どうなったか」の項目にギャップがある場合、あなたのコア・ビリーフが相手を傷つけたり 不快にさせたりしている可能性があることにも注意したいものです。
自分の怒りが有効的に働いたか、はたまた自分の個人的な感情をぶつけただけだったのか、省みて反省する機会をアンガーログは与えてくれます。

コア・ビリーフを修正する「リフレーミング」

怒りの瞬間から離れて頭が冷静になったら、今一度「アンガーログ」を読み返してみましょう。
あるコア・ビリーフが、怒りの原因になる傾向が強いと理解したら、次のステップ「リフレーミング」に進みましょう。
「リフレーミング」はまず、その問題となっているコア・ビリーフに対して、反論になるような質問を自分の中にしてみることから始まります。
例としてある上司が部下に対して叱責したシーンについてリフレーミングしてみましょう。

上司の場合
・忙しい時に部下が当たり前のことを聞いてきて煩わしく思い叱責してしまった
(当たり前のことを他人に聞くべきではない、というコア・ビリーフ)
・(反論)自分は経験も長く当たり前だと思っていることが、経験の浅い部下にとっては当たり前のことではないのでは?
・経験が浅いことを十分に配慮に入れた教え方が出来ていなかったのではないか?という新しい見解の発生

部下の場合
・上司は分からないことを聞くと「どうして分からないのか」と無遠慮に一蹴してしまう
(分からないことは率先して質問するのが正しい、というコア・ビリーフ)
・(反論)本当に上司に聞かなければ分からないことなのか?今すぐにすべき質問だったか?
・まずは自分で理解する努力をしてみるべきではないか?という新しい見解の発生

「リフレーミング」は自分のコアビリーフに縛られない、多方面な考え方を身に着けるテクニックです。
これにより中立的な立場に立って物事を考えられるようになります。
相手の考えを自分の中で消化して受け入れることで、自分の怒りも受け入れることが出来るようになります。
相手を受け入れることはそのまま自分を受け入れることに繋がります。
自分の怒りと上手に付き合っていくには、自分の外側の世界にも目を向けることが必要です。
考え方の世界を広げれば、自ずと心にも余裕が生まれ、今よりものびのびと生きていくことがきっとできるはずです。

アンガーマネジメント教材